こんちは、ひーろぐです。今回は何度か質問をいただいた内容から記事にしていきたいと思います。
自分は仕事をしながら2年半をかけヘリコプターパイロットの免許を取りました。
自分が得た2年半で取得した免許と費用
・事業用操縦士
・単発タービン限定変更
・航空無線通信士
費用
・約1900万
上記の資格の取得までの道のりは以前記事にしましたので参考までにご覧ください
すると記事を見ていただいた視聴者様からこんな質問が来ました
こんばんは、ひーろぐさん
自分は現在会社員として働いている27歳男です。最近今の会社に不満があるというわけではありませんが、ひーろぐさんのブログを見て人生一度きりだし思いっきって昔から興味のあるパイロットの免許を取得しようと思っております。
そこで質問なのですが各スクールの説明会に行くと必ず言われるのが「パイロット不足なので免許を取ればどこにでも就職できますよ」と言われます。誰もがなりたいような職種なのにそんなことがあるんですか?
ひーろぐさんの意見、また一緒に通っていたスクールの仲間も就職できているのかお聞きしたいです。
こういった相談が多いので回答します。
結論「パイロット不足ではありません」
というよりもかなりの誤差があります。パイロットに興味がある皆様も必ず目にしたことがあるであろう「パイロット不足」今日はこれについて解説していきたいと思います。
今日本では深刻な「パイロット不足」と言われています。とにかくパイロットが足りない、一人でも多くのパイロットを育てたい。航空業界について調べているとそんな言葉をよく耳にします。そんな言葉にあやかるように各パイロット養成スクールは「免許を取れば各企業から引くて数多です」「免許を取れば就職に困ることは絶対にありません」これがスクールの上等文句です。
正直僕もこの台詞を何度も聞き何にも疑念をもたず、一緒に勉強している仲間もみんなすぐに航空関係に就職するもんだと思っていました。
しかし実際はどうだろうか、
実は「パイロット」は余ってる⁉︎
正直自分がスクールに通った感想は「お金と時間をかければ誰でもなれる」です。センスや学力に多少の差があったとしても事業用操縦士の資格は誰でも取れます。現に今は多くのフライトスクールもあり、安く海外で取る人もいる為免許自体の保有者はかなりいます。
しかし、ここに問題があります。それは仕事でプロパイロットとして働くのと、免許を取っただけのプロパイロットは全くの別物ということです。
そこで出てくるのがパイロット不足です。今の日本で言われているパイロット不足というのは「仕事でパイロットとして働く人」不足なのです。おそらくスクールに通って免許を取得したすべての人がフリーパスで就職できたら「パイロット不足」などなっていません。
ではなぜそんなことないがおこるのでしょうか
それはパイロットという職業の責任が他の仕事と比べて桁違いというところにあります。
パイロットは人員輸送・人命救助など常に何人もの人の命を預かっています。
少しの判断ミスが自分だけでなく、仲間やお客様の命に直接関わって来ます。
つまり、それだけ責任が重いのです。
その為、免許保有者の中でもかなりの厳しいハードルの設定で採用試験や内部選考が敷かれています。だからこそ国内の航空事故がこれだけ少ないとも言えます。
確かに、航空業界のパイロット不足というのは嘘ではありません。しかしだからといってすぐに就職してすぐにパイロットとして飛べることは絶対にないです。これは断言できます。実際に今もスクール仲間はこれだけの借金をして免許を取っても就職できていないという人は多くいます。もちろんパイロットは憧れの職業ですし、目指すべき資格だと自分自身も思ってます。ただ、スクールの上等文句だけで決めるというのはとても安易だということだけは頭に入れておいて欲しいです。
では、どのような人を企業は求めているの
簡単にいうと経験者です。パイロット一人を一人前に養成するのに数千万円かかります。その内訳は自分が2千万円弱かかって取った資格からさらに専用の機体を操縦できる資格をとり、その機体で数百・数千時間の訓練を行うことでやっと現場に出れるパイロットとなるからです。
自分のスクールの教官を例にとってもほぼ全員自衛隊出身者。つまり、自衛隊など官公庁で実績のある人に少し高くても給料を払った方が企業側からしたらリスクはないからです。
まとめ
いかがだったでしょうか、今回は少し操縦士を目指している人に対し否定的に聞こえてしまったかも知れません。しかし、勘違いしないでいただきたいのは、ヘリコプターパイロットになることを否定しているわけではありません。むしろ、この素晴らしい仕事を広めていくために記事を書いております。自分自身も免許を取りに行った決断は正解だったと思っております。現に経験者ではない資格者の募集はあります。ただそこに就職するのもかなりの気持ちと努力が必要だということを忘れないで欲しいだけです。あたかも資格を取れば無条件で就職できるような言い方をするスクール営業は少し間違いがあるというだけです。
また採用試験の多くは勉強だけでなく、注意力・周辺視野・空間認知能力などの操縦士適正検査を行うことが多いです。この辺りの対策やトレーニング方法についても追って記事にしていきたいと思います。